双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 私だって、優星君と結婚したいって気持ちは昔からなにひとつ変わっていないよ。でも優星君と同じ未来を歩むためには、大きな問題がある。

「まずは双子にこっちでの生活に慣れてもらうことが先決だな。その先に俺との結婚も考えておいてくれ」

「……うん」

 素直に自分の気持ちを打ち明けられないのが苦しい。
 きっと優星君なら、この前言ってくれたようになにからも私たちを守ってくれるだろう。でもそれじゃ意味がないと思うの。

 やっぱり好きな人のご両親にも認めてもらってから結婚したい。でも彼のお母さんは私のことを嫌っているだろう。

 三年前に一度会った時も私を見る目は冷たくて、言葉の端端に棘を感じたもの。なにより約束を破って彼の子供をひっそりと出産し、こうして会ってしまったんだ。

 知っているか怖くて聞けないけれど、知られたら激怒されそう。
 そういえば優星君の父親はどう思っているんだろう。一度も話を聞いたことがないけど、母親同様に反対しているのかな。
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