双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「ちゃんとわかってるよ。ごめんね、一緒に住むと決めた時に言わなくて。優星君の相手として相応しくないし、ご両親にも認めてもらえないと思うと、まだ自分の気持ちを正直に打ち明けられなかったの。すべての問題が解決したら伝えるつもりだったけど無理だった」

 ゆっくりと私の涙を拭ってくれていた彼の手が離れていく。

「私もずっと優星君のことが好きだった。空港でプロポーズしてくれて嬉しかったし、忘れたことなんてなかった。優星君以上に好きになれる人なんていないよっ」

 とめどなく想いが溢れ、声が掠れる。

「それなのに三年前、一方的に連絡を断ってごめんなさい。でも当時はそれが私にとっても優星君にとっても最善だと思ったの。私と一緒になったら将来、絶対に優星君を困らせる日がくると思って……っ」

「もういい」

 私の声を遮り、優星君はそっと私の身体を抱き寄せた。

「ごめん、ただ星奈と双子といたい一心でなにも解決させないまま、一緒に暮らそうなんて軽はずみなことを言って」
< 141 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop