双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 だけど尾上さんは私の答えが気に入らないようで、拳をギュッと握りしめた。

「わかりました」

 そう言うと立ち上がり、私を見下ろした。

「あなたがそう言うのなら、私は私のやり方でやらせていただきます。どうか今日の発言を後悔する日がこないといいですね」

 意味深なことを言って歪んだ笑みを浮かべた彼女は、「お邪魔しました」と言って歩きだした。

「あっ……」

 すぐに私も立ち上がり後を追う。

「見送りなら結構です。失礼します」

 こちらを見ることなく言うとリビングのドアを開け、廊下に出た。少しして玄関のドアが閉まる音が聞こえ、私は力なくソファに腰掛けた。

 今さらながら手が震え出し、ギュッと握りしめる。

 尾上さんは尾上さんのやり方をすると言っていたけれど、それはつまり彼女は本気で優星君のことを好きだってことだよね。

 だからこうして私に会いにきて、宣戦布告をしていったのだろう。
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