双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 とにかく今は早く帰って、星奈たちとゆっくり過ごしたい。数日間家を空けて、星斗と星七も寂しがっていると聞いている。今日は思いっきり双子を甘やかそう。

 家まで送ると言う永山と羽田空港で別れ、急いでタクシーに乗り込む。車内で連絡をしようと思ったが、三人を驚かせたくてやめた。

 時刻は十三時半を回った頃。早く帰らないと双子が昼寝をする時間になってしまう。

「ありがとうございました、お釣りは結構です」

 到着するや否や、釣銭を受け取る時間さえも惜しくて、一万円札を渡して困惑する運転手を他所にタクシーから下りた。
 するとすぐに双子の笑い声が聞こえてきた。

 久しぶりに聞く声に会いたい気持ちが大きくなっていく。

門扉を開けて声のする庭へと向かうとそこに星奈の姿はなく、双子と遊ぶ見知らぬ中年の男女がふたりいた。

「星斗、星七!」

 大きな声で双子の名前を呼びながら駆け寄る。

「あぁー! パパだー」

「おかいり、パパー!」

 俺に向かって駆け寄ってきた双子を抱き上げた。
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