双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「そうだな、そのほうがいい。私からも母さんに話そう。尾上にも言っておくよ、優星には美野里ちゃんと結婚する意志がないことを」

「ありがとう、頼むよ」

 まずは母を説得してそれから美野里とも、ちゃんと話をつけよう。

「ところで優星、週末うちに来る時は双子も連れてくるのか?」

 どこかソワソワした様子で聞いてきた父には悪いけど、「双子は星奈のご両親に預けて、ふたりで行くよ」と伝えると、あからさまにがっかりした。

「そうか。でもそうだな、反対している母さんが双子になにか言って傷つける可能性もある以上、連れてこないほうがいいだろう。しかしその間、向こうのご両親は双子と過ごすのか」

 哀愁を漂わせながらブツブツと呟く父は、早く双子に会いたくてたまらないようだ。しかし母の手前、自分だけ会うわけにも行かずに我慢しているらしい。

「よかったら昨日撮った双子の写真でも送ろうか?」

「すぐに送ってくれ」

 星奈のご両親もだいぶ双子のことを可愛がってくれそうだと思ったけど、父も例外ではないな。

 できるなら母にも双子を可愛がってほしい。でもきっと、そんな日がくると信じよう。
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