双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 星奈を車に乗せたままにしておいて正解だったな。こんな話を星奈に聞かせて傷つけるわけにはいかない。

 憎しみを込めた目で助手席を見た母から守るように、星奈にはこっちの様子が見えないように助手席のドアの前に立った。

「母さん、星奈以上に俺に見合う女性はいないよ。それに前にも言ったけど、結婚相手は俺が決める。いくら親だからと言って、俺の人生を決める権利はない」

「なにを言って……っ!」

 激昂する母を横目に美野里に目を向けた。

「今まで美野里の気持ちに気づかなかったのは悪かったと思う。だからといって、敵意を星奈に向けるのは違うだろう? 恨むなら俺を恨め。これ以上星奈になにかしようものなら、いくら美野里でも許さない」

「優星君……」

 俺の怒りを感じ取ったのか、美野里は力なくその場に崩れ落ちた。

「大丈夫? 美野里さん」

 母は美野里の身体を支え、大声で叫んだ。
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