双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました

「それで父さん、さっきの話の続きを聞かせてよ」

　気になって仕方がないのか、紅茶を一口飲んだ優星君が聞くと、お義父さんはゆっくりと口を開いた。

「母さんが星奈さんと優星の結婚に反対している理由は、私たちに似ているからなんだよ」

「えっ？　どういうこと？」

　私たちと似ているって、どこがだろうか。
　お父さんの言いたいことが理解できない私は、口を挟むことなく耳を傾けた。

「私たちは親同士が決めた政略結婚だったが、出会ってから恋をしてお互いを好きになった。しかしいざ結婚となった時に、母さんの父親が経営する会社が倒産してね。私の両親は手のひらを返して私たちの結婚に猛反対をした」

　そうだったんだ。どうやらこの事実を優星君も知らなかったようで、言葉を失っている。

「だが私たちはどうしても結婚したかった。そのために母さんには親子の縁を切るというつらい選択をさせてしまったんだ」

「親子の縁って……待ってくれ、じゃあ俺が何度も会っていた祖父母は？」

「おふたりは、母さんの本当のご両親じゃない。母さんは私と結婚するために養子縁組したんだ」

「そう、だったのか」