双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「どうして笑うんだよ」

「ごめん、だって優星君も以前、お義父さんと同じことを言っていたでしょ? それが可笑しくて……」

 口に手を当てて笑いをこらえながら言うと、優星君とお義父さんは気まずそうに頭を掻いた。

 それがまた可笑しくて私は笑ってしまった。

 きっとこの和やかな空間に、双子とお義母さんが入るのはそう遠くない未来のはず。そのためにもお義母さんに認めてもらえるように頑張ろう。

 それからお義父さんと少し話をして、私と優星君が家を後にするまでお義母さんは一度も顔を見せなかった。


 次の日から私は、両親に星斗と星七を預けて優星君の実家に通い始めた。しかし初日は門前払いをされた。

 それでも諦めずに次の日も向かうと、今度は家政婦にリビングに通されたものの、お義母さんに会うことは叶わず。
 しかし三日目にはやっと顔を見せてくれた。

「お会いしてくださり、ありがとうございます」

「三日連続で来られていい迷惑よ。買い物にも行けないじゃない」

 嫌味を言いながらも、お義母さんは席を立とうとはせずに、家政婦が淹れた珈琲を飲んでいる。

「それにいい加減主人に毎晩言われるのに疲れたの。まったく、あの人ったら一気に孫がふたりできたことがよほど嬉しいみたいね」
< 221 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop