双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「ねぇ、優星とはどうやって知り合ったの?」

「え、優星君とですか」

「だってあなたたち、接点などなかったはずでしょ?」

 聞く態勢に入ったお義母さんに、優星君との出会いを話した。

「私が働いていたカフェの常連客だったんです。そこで私が淹れた珈琲をいつも美味しいと飲んでくれて、指名をしてくれるようになりました。それから話をするようになって、どんどん惹かれていったんです」

「そうだったの」

 私の話を聞き、お義母さんはなにか考え込んでいる。

「告白はどっちからしたの?」

「えっ! 告白ですか?」

「えぇ、聞かせて」

 どこか楽しそうに私の話を聞いたお義母さんは、他にも初デートはどこに行ったのか、私と一緒にいる時に優星君はどんな感じなのかを、事細かに聞いてきた。

 そのたびに恥ずかしくなりながらも話すと、お義母さんの表情は少しずつ明るくなっていった。

「ありがとう、いろいろと聞かせてくれて」

「いいえ」

 この日もそれ以上お義母さんが口を開くことはなかったけれど、以前よりも一緒にいても緊張することはなかった。

 そして通い始めて五日目。お義母さんは開口一番に「週末は優星も一緒に来るんでしょ? それなら双子も連れてきなさい」と言った。

「いいんですか? 連れてきても」

 信じられなくて聞き返すと、珈琲を飲みながらお義母さんは深く頷いた。

「えぇ、主人もうるさいしね。それに優星の子供だもの、祖母として会わないわけにはいかないでしょう」

 そう話すお義母さんの耳はほんのり赤く染まっていた。
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