双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「うん、牛さんにご飯あげようね」

 少し前から明叔父さんと佳代さんが経営する牧場の手伝いを始めた。

 ふたりは従業員を雇って敷地内でハムやソーセージなどの手作り体験や、レストラン、さらに小さなカフェも経営している。
 あまり戦力にはならないけれど、三人で牛の飼育の手伝いをしていた。そして来月からは星斗と星七を保育園に通わせて、バリスタとしての経験を活かし、カフェの手伝いをする予定だ。

 明叔父さんと佳代さんは「なにも保育園に預けてまで手伝わなくてもいい」と言ってくれたけど、ふたりには本当にお世話になったんだもの。

 これから少しずつ恩返しをしていきたい。それに星斗と星七にとっても、同い年の子と交流を持つことはいいことだと思っている。

 同年代の子と触れ合うことでしか、学べないことや経験できないこともあると思うから。
 なにより私にとっても大きな一歩だと思っている。このままずっと明叔父さんと佳代さんに甘えっぱなしではいけないもの。

 自分のカフェを開きたいと夢はまだ諦めていない。いつか星斗と星七の子育てを終えたら実現させたいと思っている。

 そのためにもカフェの手伝いをさせてもらえるのは大きな経験となる。お給料も出してくれると言っていたし、ありがたくいただいて少しずつ貯蓄していきたい。

 これまで働いていた貯蓄は残りわずかとなってきているし、星斗と星七を育てるためにはお金はいくらあっても足りないから。
< 37 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop