双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「……おはよう」

 声に棘を生やして言ったら、優星君は顔をクシャッとさせて笑う。

「もう、なにがそんなに可笑しいの?」

「ん? 星奈はやっぱり可愛いなって思って」

 サラッと出た殺し文句に大きく目を見開いた。

「あー! ママのおかお、まっかかー。かわいー」

「せいともママはかわいいとおもうよ!」

 双子にも言われると、非常に居たたまれなくなる。

「ありがとう」

 どうにか双子に声を絞り出して言えば、優星君はますます愉快そうに笑った。

 もう、再会してからの優星君はちょっぴり意地悪だ。こうして私の反応をおもしろがってからかうのだから。

「星奈は今日もカフェ勤務?」

「あ、うんそうだんだ。それで、その……悪いんだけど今日も星斗と星七をお願いしてもいいかな?」

 週末に優星君が来るまでは、星斗と星七は私や明叔父さんたちの仕事の手伝いをしてくれていたのに、今では優星君にべったり。
 優星君と一緒に遊ぶのが楽しみで仕方がないみたい。

 申し訳なく思う一方で助かってもいた。楽しんで手伝いをしてくれる時もあるけど、飽きちゃってつまらなそうな時のほうが多いから。
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