双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「もちろん。ただ、星斗と星七の面倒は俺が見るけど、牧場の仕事を手伝わせてもらいながらでもいいか?」

「手伝うって優星君が?」

 聞き間違い? 優星君が牧場を手伝うだなんて。
 信じられなくて目を白黒させてしまう私を見て、優星君はちょっぴり不満げ。

「動きやすいように着替えも持ってきたんだ。先週、明さんが晩酌をしながらバイトがふたり辞めて人手が足りないって漏らしていたからさ。少しでも力になれたらいいんだけど、俺がいたら逆に邪魔になるかな?」

「ううん、そんなことないよ。すごく助かるし明叔父さんも喜ぶと思う」

 同時期に長年勤めてくれていたバイトが辞めてしまい、本当に人手不足だから。

「そっか、それならよかった。よし、じゃあ星斗、星七」

 そう言うと優星君は双子を降ろして彼も目線を会わせるように膝を折った。

「ふたりとも、パパと一緒にじいのお手伝いできるか?」

 優星君に聞かれ、双子は顔を見合わせてにっこり笑った。

「するー!」

「ぼくもー!」

 星斗と星七はすっかりやる気だ。
< 89 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop