双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 そして迎えた夜。私たちは母屋に向かい、五人でにぎやかな夕食時を過ごした。そして優星君と入浴を済ませた星斗と星七は疲れたのか、すぐに眠ってしまった。

「星斗たちが起きたら俺たちが見るから、ゆっくり過ごしておいで」

 明叔父さんにそう言われ、私と優星君はいつものように離れでふたりの時間を過ごす。

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

 並んで座り、私が淹れた珈琲を美味しそうに飲む姿も、今夜で見納めかと思うとせつない。初めて淹れた珈琲を優星君が美味しそうに飲んでくれて本当に嬉しかったよね。

 それがきっかけで彼のことが気になるようになり、すごく好きになってしまった。
 こんなに好きになれる人と出会えて、子供まで授かることができたんだ。たとえ一緒になれなくても私は十分幸せだ。

 これから彼に告げる時に泣いてしまいそうで、そう自分に言い聞かせた。

 いつもだったら他愛のない話で盛り上がるというのに、今日はお互い言葉数が少なめ。もしかしたら優星君は気づいているのかもしれない。
 カップに注いだ珈琲が半分ほどになった頃、私は思い切って切り出した。

「あのね、優星君。話があるの」

「どうした?」

 柔らかい笑顔を向けて聞く態勢に入った優星君に、私はカップをテーブルに置いて小さく深呼吸をした。
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