双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 三年前は連絡を少しずつ減らしていき、なにも言わずに彼との関係を断った。でもそれではだめだ。今度はちゃんと言って離れないと。

「もうここには来ないでほしいの」

 単刀直入に言うと、優星君は苦しそうに顔を歪めた。

「どうして?」

 すぐに理由を求められ、すぐに言葉が出てこない。
 本当は嫌いになったからなんて、絶対に言いたくない。でも言わなければ彼は納得してくれないよね。

 ギュッと唇を噛みしめ、ジッと私を見つめる彼に目を向けた。

「この一ヵ月、週末を一緒に過ごしてみて以前のように好きじゃないって気づいたの。私にとって優星君はもう過去の人なの」

 やっぱりどうしても嫌いとは言えなかった。でもこれでも十分伝わるはず。

「私たちは一緒になれないのに、これ以上一緒に過ごしたら双子がかわいそうでしょ? 急に優星君に会えなくなったら悲しむもの。だからお願い、もうここには来ないでほしい」

 ここまではっきりと言えば、優星君は理解してくれるだろう。そう思っていたけれど……。
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