本能レベルで愛してる~イケメン幼なじみは私だけに理性がきかない~
特別な人間
◼️特別な人間
「千帆ちゃんって言うんだね。これからよろしくね、特別な人間同士」
テレビの画面から出てきたかのような、アイドル顔のその人は、初対面の私にキラキラの笑顔を向けてそう言い残した。
ずっと今日の昼ごはんのことを考えていた私は、突然のことに驚き何も返せない。
ただ、紫音がとんでもなく不機嫌だということだけは、分かっている。
まったく自己紹介を聞いていなかったけれど、αの転校生が来るって、タケゾーとかおりんが言っていた気がするから、彼がその話題の生徒なんだろう。
「紫音、も、もう席戻ったら……?」
ひとまずそう言うと、紫音は絶対零度の瞳で私を見下ろし、目で「お前がしっかりしてないから」という怒気を放ってきた。
私はそれに怯えながらも、朝のホームルームを終えたのだ。
◯
「ちょっと! 紫音様に限らず三条君まで落とすってどういうこと⁉︎」
「いや、落としてない、落としてないよ!」
いつも通り、屋上での昼休みのこと。タケゾーが悔しそうに私の両肩を掴んで激しく揺すってきた。
隣ではかおりんもつまらなさそうな顔で私のことを睨んでいる。
お昼にゲットしたカツカレー弁当を頬張りながら、私はタケゾーからの問いにひたすら耐える。
「クラス内の顔面国宝、どっちも自分のものにしようなんて、僕許せないよ!」
「だ、だから違うって! きっと私がΩだから興味本位で近づいてきたんだよ。私自身に興味あるわけじゃないよ」
「でも実質、クラスで一番最初に名前覚えてもらったのは千帆だもんね」
ね?とかおりんにも責められ、私はぶんぶんと首を横に振る。
なんとなく勘だけど、三条君はαを炙り出すために私に近づいたんじゃないかな。
「千帆ちゃんって言うんだね。これからよろしくね、特別な人間同士」
テレビの画面から出てきたかのような、アイドル顔のその人は、初対面の私にキラキラの笑顔を向けてそう言い残した。
ずっと今日の昼ごはんのことを考えていた私は、突然のことに驚き何も返せない。
ただ、紫音がとんでもなく不機嫌だということだけは、分かっている。
まったく自己紹介を聞いていなかったけれど、αの転校生が来るって、タケゾーとかおりんが言っていた気がするから、彼がその話題の生徒なんだろう。
「紫音、も、もう席戻ったら……?」
ひとまずそう言うと、紫音は絶対零度の瞳で私を見下ろし、目で「お前がしっかりしてないから」という怒気を放ってきた。
私はそれに怯えながらも、朝のホームルームを終えたのだ。
◯
「ちょっと! 紫音様に限らず三条君まで落とすってどういうこと⁉︎」
「いや、落としてない、落としてないよ!」
いつも通り、屋上での昼休みのこと。タケゾーが悔しそうに私の両肩を掴んで激しく揺すってきた。
隣ではかおりんもつまらなさそうな顔で私のことを睨んでいる。
お昼にゲットしたカツカレー弁当を頬張りながら、私はタケゾーからの問いにひたすら耐える。
「クラス内の顔面国宝、どっちも自分のものにしようなんて、僕許せないよ!」
「だ、だから違うって! きっと私がΩだから興味本位で近づいてきたんだよ。私自身に興味あるわけじゃないよ」
「でも実質、クラスで一番最初に名前覚えてもらったのは千帆だもんね」
ね?とかおりんにも責められ、私はぶんぶんと首を横に振る。
なんとなく勘だけど、三条君はαを炙り出すために私に近づいたんじゃないかな。