官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
結局、貴裕さんはつきっきりで貴斗の面倒をみてくれた。
午前中目いっぱい遊んで、お腹もいっぱいになってさすがに耐え切れなくなったらしい。
「美海ちょっと来てくれ、貴斗が!」
食堂で一緒に少し早めのお昼ご飯を食べていた貴裕さんが、大きな声で私を呼んだ。厨房での作業を中断して、慌てて出て行く。
貴裕さんの隣で、子供用の椅子に座った貴斗がお昼ご飯を食べながら、船を漕いでいた。口の周りにご飯粒をつけたまま、スプーンを握って頭をふらふら揺らしている。
「ああ、電池が切れちゃったか」
「どう言う意味?」
「そのまんま。貴斗寝ちゃったの」
「……びっくりした! 急に黙るから具合でも悪いのかと思ったよ」
さすがに子供のこんな姿を見るのは初めてなんだろう、貴裕さんはホッと胸をなで下ろしている。
「貴裕さんがいっぱい遊んでくれたからね。疲れたところにお腹もいっぱいになって、急に眠くなったんでしょ。このまましばらくは起きないと思うわ」
貴斗の顔をきれいに拭いて、そっと食事用のエプロンを外し抱き上げた。
「奥に寝かせてくるわ」
「俺も手伝うよ」
貴裕さんは私の後について来て、休憩室代わりに使っている奥の和室に子供用の布団を敷いてくれた。