官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました

「さすがに貴裕さんも寝ちゃうよね……」

　昨日も最終便で島について、朝は普通に起きて、食後休む間もなく貴斗の面倒を見ていたのだ。子供って案外パワフルで、ずっと相手をしていたら大人の方がぐったりしてしまう。

　でも貴裕さんは億劫がることもなく、貴斗に根気よくつき合ってくれた。

「最初からこんなに飛ばしてたら、貴裕さんこそ電池が切れちゃう」

　貴裕さんも、全力なのだ。会えなかった時間を取り戻すかのように、貴斗と向き合ってくれている。

「ちゃんと貴斗に、この人がパパだよって教えてあげないといけないな」

　押し入れから予備のタオルケットを出して、貴裕さんにかけてあげる。こうして並んでると、貴斗と貴裕さんはよく似ている。

　茶色がかった髪も、長い睫毛も、スッと通った鼻筋も。間違いなくこのふたりは親子なんだなと思いながら、今までにない幸せな気持ちでしばらくふたりを眺めていた。