官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
DAY3 ぎゅうして
翌日の日曜日。私は早起きをして、自宅で貴裕さんのお弁当を作った。
悩みに悩んで作ったのは、お弁当のおかずとしてはベーシックな卵焼きと唐揚げ。彩りをよくするために作ったほうれん草のお浸し。それに、貴斗も大好きなエビのフリッター。
以前ラパンで話をしていた時に、貴裕さんがエビが好物だと言っていたのを思い出したのだ。
あの時話したことを、貴裕さんは覚えているかな……。気づいてくれたら嬉しいなと思いながら、心を込めて作った。一緒に貴斗と私の分も。浜辺の木陰で海を見ながら貴斗とお弁当を食べるのもたまにはいいかなと思ったのだ。
貴斗の分もあったから、ニンジンの飾り切りまで入れて、少し可愛すぎるお弁当になってしまったかも。でも、手作りらしくていいか、とそのまま包んで保冷バッグに入れる。
それにしても、ふたりして好きなものが一緒だなんて。やっぱり親子なんだな、なんて思ってしまう。
船が出るのはまだ夜明け前なので、貴斗がぐっすり眠っていることを確認して、私ひとりでひぐらし荘まで車を飛ばした。