官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
「なあ、こういうことってよくあるの?」
あらかた食べ終えて、食後のコーヒーを淹れたところで、貴裕さんが話しかけてきた。
「こういうことって?」
まだ湯気の出ているコーヒーを啜って、ホッと息を吐く。今日も暑さが厳しそうだけれど、朝一で飲むのは熱々のコーヒーがいい。そこは、貴裕さんも同意見だった。
「貴斗だよ。突然夜中に熱を出したり」
「そうね。でも子供が小さいうちってそういうものじゃない? 保育園で集団生活をしてるから病気をもらうこともあるし、まだ体も大人みたいに丈夫じゃないもの」
貴斗も一歳になる前くらいから、熱を出したり風邪をもらったりを繰り返してきた。
「でも、具合を悪くするたび不安だっただろう?」
「……そうね。最初はおろおろするばっかりだったし、具合が悪そうな貴斗を見てかわいそうで泣いちゃったりしてた。でもね」
素子さんをはじめ、周囲の人達が手を貸してくれたこと、保育園のママ友達とも悩みを共有したり経験を積んだりして知恵もついたこと。貴斗が産まれてからの二年間の話をすると、貴裕さんは「……そうか」と呟いた。
「夕べの美海、すごく冷静だったし、テキパキとしていたから驚いたんだ。それに比べて、俺は何をしたらいいのかもわからなくて情けなかった」
そう言って、苦い笑みを浮かべている。
あらかた食べ終えて、食後のコーヒーを淹れたところで、貴裕さんが話しかけてきた。
「こういうことって?」
まだ湯気の出ているコーヒーを啜って、ホッと息を吐く。今日も暑さが厳しそうだけれど、朝一で飲むのは熱々のコーヒーがいい。そこは、貴裕さんも同意見だった。
「貴斗だよ。突然夜中に熱を出したり」
「そうね。でも子供が小さいうちってそういうものじゃない? 保育園で集団生活をしてるから病気をもらうこともあるし、まだ体も大人みたいに丈夫じゃないもの」
貴斗も一歳になる前くらいから、熱を出したり風邪をもらったりを繰り返してきた。
「でも、具合を悪くするたび不安だっただろう?」
「……そうね。最初はおろおろするばっかりだったし、具合が悪そうな貴斗を見てかわいそうで泣いちゃったりしてた。でもね」
素子さんをはじめ、周囲の人達が手を貸してくれたこと、保育園のママ友達とも悩みを共有したり経験を積んだりして知恵もついたこと。貴斗が産まれてからの二年間の話をすると、貴裕さんは「……そうか」と呟いた。
「夕べの美海、すごく冷静だったし、テキパキとしていたから驚いたんだ。それに比べて、俺は何をしたらいいのかもわからなくて情けなかった」
そう言って、苦い笑みを浮かべている。