官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
「でも、昨夜は貴裕さんがいてくれて心強かった。貴斗のことずっと見ていてくれたし、貴裕さんが貴斗のことをすごく心配しているのが伝わってきて……嬉しかったの」

「……本当に?」

「うん、貴斗には素敵なパパがいてくれてよかったって、そう思った。……それに私も心強かった、本当よ」

 心からの言葉だと伝わったのだと思う。

「こんな俺でも少しでも役に立てたなら嬉しいよ」

 きっぱりと言い切る私を見て、貴裕さんは安心したように頷いた。

「美海なりに頑張って、強くなったんだな。親になるってこういうことなんだなって思ったよ」

「……そうね、こうやって試行錯誤しながら親になっていくんだと思うわ」

 最初から、完璧な人なんていない。子供との時間をたくさん重ねて、様々な経験を積んで、私達は親というものになっていくんだろう。

「美海、俺の気持ちを言ってもいいか?」

 貴裕さんが真剣な眼差しで、私を見つめる。二人の間に軽い緊張が走った。

「……何?」

「これからのこと」

 短く言うと、貴裕さんはふーっと息を吐き出した。

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