官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
　その日の夜、私と貴裕さんは改めて智雄さんと素子さんに、正式に結婚すること、ゆくゆくは貴斗を連れて三人で東京へ住むつもりだということを報告した。

　素子さんは私達の決断を祝福してくれたし、最初は渋い顔をしていた智雄さんも、最終的には祝福してくれた。

　そして意外なことに、一番感激していたのは雄ちゃんだった。

「美海、よかったなぁ」

　何度もそう言って、まるで花嫁の父のように涙を流している。どこから聞きつけたのか、雄ちゃんがこの場にいることも不思議だったのだけれど。

「美海は俺の家族なんだから、俺が報告を聞くのは当然だろ」と言われ、不覚にも私までつられて泣いてしまった。

「もう絶対、美海を泣かせるなよ」

　そして雄ちゃんは貴裕さんに釘を刺すのも忘れなかった。

「絶対に泣かしませんし、幸せにすると約束します」

　貴裕さんは、みんなの前で力強い声で宣言してくれた。感激のあまりなかなか泣き止まない私の肩を、貴裕さんはずっと抱いていてくれた。

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