官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
「……あなたが貴斗くんね」

 お母様はゆっくりと貴斗に視線を移し、目を細めた。

「はじめまして。私があなたのおばあちゃんよ」

「ぼくのおばあちゃん?」

 お母様は腰を屈め、貴斗と視線を合わせた。貴斗の頭の上にそっと手をのせ、ポンポンと優しく撫でる。

「私はあなたのパパのお母さんなの。これからよろしくね」

「すごい! ぼくにもおばあちゃんできた!」

 無邪気に叫ぶ貴斗を見て一瞬顔を歪めると、お母様は貴斗の体をキュッと抱きしめた。

「……今までごめんなさい。おばあちゃんを許してね」

 振り絞るように出た言葉に、私も胸が詰まる。お母様も貴裕さんと同じように自分のことを責めていたのだろうか。

「なんで? ぼくおこってないよ?」

 いきなり謝られて、びっくりしたのだろう。貴斗は不思議そうな顔で首を傾げた後、お母様の背中を小さな手のひらでトントンと叩いた。

「いいこいいこ」

 いつも私がするように、お母様の背中を何度もトントンと背中を叩く。堪えきれず、お母様は涙を流した。

「なんで美海まで泣いてるんだ」

「だって……」

 怒られても仕方がないと覚悟してきたのだ。まさか私達親子にこんな言葉をかけてもらえるなんて思っていなかった。

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