官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
パーキングに戻ると、貴斗は後部座席のチャイルドシートの中で爆睡、貴裕さんは電話をしていた。
「お待たせしました」
「美海、それは?」
「これは瑞季さんからのプレゼントなの」
今日入籍したばかりだと伝えると、瑞季さんが花束をプレゼントしてくれた。
「綺麗だな」
「ええ、こんなにたくさんの人に祝ってもらえて夢みたいよ」
素子さんや智雄さん、諏訪島のみんな、貴裕さんのお母様に瑞季さん。周りの人全てが、私達の結婚を祝ってくれている。
「美海」
花束を抱える私の手に、貴裕さんがそっと触れる。ふたりの指と視線が絡み合った。
「幸せにする。絶対」
「うん、私も」
どちらともなく目を閉じて、触れるだけのキスを交わした。