官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
「ママやくそくってなに?」

「今日ママとパパおでかけしないといけないところがあるの。だから貴斗はおばあちゃんちでお留守番していてね」

 今日は私と貴裕さんが結婚式を挙げるホテルでの打ち合わせがある。その時にドレスの試着もすることになっているのだ。

 忙しい貴裕さんに時間の確保は無理だろうと思っていたのだけれど。

『そんなこと、仕事より美海を優先するに決まってるだろう』

 菅野さんに無理を言って、時間を作ってもらったようだ。貴斗のことは、お母様が預かってくれることになっている。

「やったー、ぼくおばあちゃんだいすき!」

 相変わらずお母様は貴斗にメロメロで、可愛がってくれている。今日のことを話すと、『それなら貴ちゃんはうちで見るわ。一晩預かるから、あなた達もゆっくりしてらっしゃい』と上機嫌だった。

「貴斗、おばあちゃんちでおりこうにしててね」

「ぼくはいつでもおりこうさんだよー。おばあちゃんもいつもほめてくれるよ」

 ウキウキで、持って行くおもちゃを選んでいる。

 待ち切れないというお母様から迎えの車が来たのがお昼過ぎ。私は貴斗を預けて、待ち合わせのホテルへと向かった。

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