官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
「あ、それと貴斗のお迎えも俺が行ってやるから」

柚子(ゆず)ちゃんを迎えに行くの? (かおる)さんは?」

「昨日から東京なんだよ。研修でさ。柚子はばあばんちに送ってくる」

「そっかぁ。薫さんも相変わらず忙しいね」

「だよなー。おかげでデートもできやしねぇ」

 なんて、愚痴だか惚気だかわからないことを言っている。

 雄ちゃんには三歳年上の彼女がいる。雄ちゃんと同じ役場に勤める本荘(ほんじょう)薫さんという人で、元の旦那さんとは、娘の柚子ちゃんが生まれてすぐ離婚したと聞いている。

 二人が別れたのは私が島に帰る以前のことだから、詳しい経緯は私も知らない。あまりよくない別れ方だったということだけ、雄ちゃんからちらりと聞いている。

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