官能一夜に溺れたら、極上愛の証を授かりました
「お茶のおかわり持ってこようか?」

 話しかけられて初めて、私が側に立っていることに気がついたようだ。

「ああ、美海か。ありがとう」

「ちょっと待っててね」

 私がお茶を淹れ直している間も、食器を下げている間も、貴裕さんはまた外を見ている。その視線の先に、素子さんと一緒に洗濯物を干している貴斗の姿があった。

 貴斗は朝から元気いっぱいで素子さんに纏わりついている。仕事をしてくると言った素子さんに、きっと「たかともやる!」と言ってついて行ったのだろう。張り切った様子で、カゴの中から洗濯物を取り、素子さんに渡している。

「本当に可愛いな」

「……うん。ひょっとして、貴裕さんって子供好き?」

 元から優しい人なのは知っていたけど、貴斗の存在をなんの抵抗もなく受け入れていることに正直驚いた。

「うん……どうなのかな。今まであまり子供に接することがなかったからよくわからないけど」

「そうなんだ」

「でも、貴斗のことは可愛くって仕方がない。この気持ちを言葉で表すなら……愛しい」

「えっ……」

「それしか思い浮かばない」

 なんてないことのように言って、貴裕さんが席を立つ。呆気に取られている私を見て、貴裕さんが言った。

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