13番目の恋人
何とか仕上がったのはサーモンの和風パスタと玉ねぎとわかめに卵を落としたお味噌汁。
 
「和風パスタなら味噌汁に合うかなって」
 
和食の様な昼食なので、お箸で頂く。やっぱり立ち食いで……お茶するくらいならいいのだけれど、ちゃんと食事をとるなら、つらい。というか、朝のコーヒータイムから、昼食の準備、そして昼食とずっと立ちっぱなし。

「椅子、いるよね」って話しになった。
「いつも、そこのローテーブルで、すごく狭いんですけれど、ソファにいきましょうか」
 
 各自自分のお皿とお椀を持って移動する姿も滑稽で、何だか笑いが止まらなくなってしまう。
 
「なーんか、うまくいかないね」なんて笑いあって、とても楽しい。
 
「時間もあるし、食事が終わったら椅子見に行こうか」
彼が、椅子は恋人が出来たら買うと言った私の言葉を覚えていてそう言ったのか、不便だからか、どちらにしろ、私は頷いた。

「このテーブル買ったお店に行ってみようか。セットの椅子があったのかな」
「セットじゃなくてもいいですよ」
「うん、テーブルと椅子の高さのバランスって大切だからね。セットの椅子のだいたいの高さ調べてそれから好きなデザイン選んでもいいね

 
なるほど、何でもいいわけじゃないのか。
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