13番目の恋人
「これも先にしちゃったもんなあ」
「結局、ステップ飛ばし飛ばしじゃないですか、じゃあ、ステップ4は?」
ここから先は、何となく、“また今度ね”って言われるんだろうなって気がして、ちょっと意地悪のつもりで訊いた。
「……キス」
「それ、もうしましたよ」
不服で尖らせた唇に、彼が不意にキスをくれた。軽く、一度。そのままもう一度。今度は、指を絡めていた手を、ぐいっと引かれ唇に全体重が乗るくらいになってしまう。彼の反対側の手が私の後頭部に回され、彼も私を離す気がないのだと、思った。
「口、開けて」ほんの少し離した唇で彼がそう言った。
「キスするのに、どうして?」
「ここからの、キスは口を開けてするもんだ」
「え、な……」
舐めるの?口の中を!?彼の目はいつもと違い、随分と、熱っぽい。だけど、私はそれを嬉しいとさえ思って、いや、彼の唇が触れて、口の中を食べるようにキスされると……彼のキスの強さと、熱さで、心臓は高鳴り、一気に血液が全身を巡ったようになり何も考えられるなくなってしまった。
やっと、唇が離されると、私は肩で息をしていた。そんな私を見て、彼はいつもの優しい瞳に戻って微笑んで、そっと、私の濡れた唇を親指で拭ってくれた。
「結局、ステップ飛ばし飛ばしじゃないですか、じゃあ、ステップ4は?」
ここから先は、何となく、“また今度ね”って言われるんだろうなって気がして、ちょっと意地悪のつもりで訊いた。
「……キス」
「それ、もうしましたよ」
不服で尖らせた唇に、彼が不意にキスをくれた。軽く、一度。そのままもう一度。今度は、指を絡めていた手を、ぐいっと引かれ唇に全体重が乗るくらいになってしまう。彼の反対側の手が私の後頭部に回され、彼も私を離す気がないのだと、思った。
「口、開けて」ほんの少し離した唇で彼がそう言った。
「キスするのに、どうして?」
「ここからの、キスは口を開けてするもんだ」
「え、な……」
舐めるの?口の中を!?彼の目はいつもと違い、随分と、熱っぽい。だけど、私はそれを嬉しいとさえ思って、いや、彼の唇が触れて、口の中を食べるようにキスされると……彼のキスの強さと、熱さで、心臓は高鳴り、一気に血液が全身を巡ったようになり何も考えられるなくなってしまった。
やっと、唇が離されると、私は肩で息をしていた。そんな私を見て、彼はいつもの優しい瞳に戻って微笑んで、そっと、私の濡れた唇を親指で拭ってくれた。