13番目の恋人
第14話
小百合
それから、どちらからともなくメッセージを送ったり、仕事終わりの遅い時間に短い電話があったり……とても恋人らしく過ごしていた。
とても忙しい彼に、「無理しなくてもいいです」と言うと「声が聞きたくて」と言った彼の声は、心のメモリーに入れた。これだけで、何日も悶える事が出来た。
野崎さんは、土曜日の仕事は当たり前で、ここ最近は日曜にも仕事が入っている。会社の繁忙期ではあるけれど、彼が忙しいのはそれだけではないのだと、噂で聞いた。大宮くんの言うとおり、彼は年内いっぱいで出向元の会社へ戻るのだろう。この繁忙期の内容を含めた業務を営業企画室の主任へと引き継いでいるらしいと。
次の室長は、今の主任がなるらしい。野崎さんから、そのことについては聞かされていない。年内ということは、あと3ヶ月を切っている。何となくだけれど、私との交際期間もそこで区切るのではないかと思った。
忙しいとはいえ、次のステップに進まないのはそのせいではないかと私は思っていた。彼がそうしてくれているのではないか、そんな気がした。元々彼はこんな先のない付き合いには乗り気ではなかった。
……会いたいな。会社でも、時々遠くでみるくらいで、見かける度に胸が甘く痛んだ。
とても忙しい彼に、「無理しなくてもいいです」と言うと「声が聞きたくて」と言った彼の声は、心のメモリーに入れた。これだけで、何日も悶える事が出来た。
野崎さんは、土曜日の仕事は当たり前で、ここ最近は日曜にも仕事が入っている。会社の繁忙期ではあるけれど、彼が忙しいのはそれだけではないのだと、噂で聞いた。大宮くんの言うとおり、彼は年内いっぱいで出向元の会社へ戻るのだろう。この繁忙期の内容を含めた業務を営業企画室の主任へと引き継いでいるらしいと。
次の室長は、今の主任がなるらしい。野崎さんから、そのことについては聞かされていない。年内ということは、あと3ヶ月を切っている。何となくだけれど、私との交際期間もそこで区切るのではないかと思った。
忙しいとはいえ、次のステップに進まないのはそのせいではないかと私は思っていた。彼がそうしてくれているのではないか、そんな気がした。元々彼はこんな先のない付き合いには乗り気ではなかった。
……会いたいな。会社でも、時々遠くでみるくらいで、見かける度に胸が甘く痛んだ。