13番目の恋人
頼人
「ちょっとここだけ他の家具と浮いてない?」
小百合にはそう言われてしまったが
「いいの、ここで食べたい」
正直、ちょっと狭いが俺はここで小百合と食事をするのがとても気に入っている。ここだけ浮いてるのではなく、ここだけ他と特別なだけだ。『絶対に捨てないで』という俺の頼みを聞いてくれて、小百合が自分の稼いだ金で買ったラウンドテーブルと椅子は俺の家にやってきた。
食事が終わるとデザートの用意を俺がする。正直デザートにするには少し重いのだが、この日はコーヒーでも紅茶でもなく万里子さんおすすめのお茶。ほっとする香りが部屋に広がる。
「1日かけて食べてもいいし」
「残りは明日でもいいしね」
そう、うちの自慢のキャトルカール。切りたては表面がサックリ。明日ならバターが馴染んでしっとり。
明日も一緒にいるのだから、ゆっくり食べたらいい。
「って、小百合……食後にそんなに食べるのか?」
切り分けた一切れをさっさと食べてしまって立ち上がる。
「明日のしっとりタイプも食べたいのに止まらない~」
仕方がない。俺は今はほんの少しにしておこう。明日も小百合が食べられるように。
小百合にはそう言われてしまったが
「いいの、ここで食べたい」
正直、ちょっと狭いが俺はここで小百合と食事をするのがとても気に入っている。ここだけ浮いてるのではなく、ここだけ他と特別なだけだ。『絶対に捨てないで』という俺の頼みを聞いてくれて、小百合が自分の稼いだ金で買ったラウンドテーブルと椅子は俺の家にやってきた。
食事が終わるとデザートの用意を俺がする。正直デザートにするには少し重いのだが、この日はコーヒーでも紅茶でもなく万里子さんおすすめのお茶。ほっとする香りが部屋に広がる。
「1日かけて食べてもいいし」
「残りは明日でもいいしね」
そう、うちの自慢のキャトルカール。切りたては表面がサックリ。明日ならバターが馴染んでしっとり。
明日も一緒にいるのだから、ゆっくり食べたらいい。
「って、小百合……食後にそんなに食べるのか?」
切り分けた一切れをさっさと食べてしまって立ち上がる。
「明日のしっとりタイプも食べたいのに止まらない~」
仕方がない。俺は今はほんの少しにしておこう。明日も小百合が食べられるように。