13番目の恋人
結婚の準備に一年欲しいと見合いの段階では言われていたが、もう少し早めて貰うことにした。結婚しても仕事は納得行くところまで続けたらいいと思う。
「俺の秘書になる?」
そう聞いたけれど
「やだ! 俊くんがいい!」そう言われて、ちょっとぷんぷんしてみたけれど
「だって、頼人さんが隣にいちゃうとダメになっちゃうんだもん」と言われたので、俺もダメになったら困るのでもう少し俊彦の元でお願いしようと思う。
俊彦には「ままごと夫婦」なんてからかわれたけど「お前だって、公私ともに徹底管理されて、尻に敷かれてるんじゃないか?」と、からかい返す。
「あのなあ、俺は敷かれてるんじゃない。自ら敷かれに行ってるんだ」などと得意気に言った。幸せなのならそれど良いと思う。
「結婚、少し早まるからな」そう報告した俺に、わかりやすく顔を強ばらせる。この反応が慶一郎と全く同じ。いや、香坂家の男性全員と同じ反応だ。
一年をかけて準備をという名目は……小百合のためではなく、こっち側の心の準備なのではないかと、今は疑っている。
「そうか」心底嫌そうな顔をして、俊彦は俺に「おめでとう」と言った。
「俺の秘書になる?」
そう聞いたけれど
「やだ! 俊くんがいい!」そう言われて、ちょっとぷんぷんしてみたけれど
「だって、頼人さんが隣にいちゃうとダメになっちゃうんだもん」と言われたので、俺もダメになったら困るのでもう少し俊彦の元でお願いしようと思う。
俊彦には「ままごと夫婦」なんてからかわれたけど「お前だって、公私ともに徹底管理されて、尻に敷かれてるんじゃないか?」と、からかい返す。
「あのなあ、俺は敷かれてるんじゃない。自ら敷かれに行ってるんだ」などと得意気に言った。幸せなのならそれど良いと思う。
「結婚、少し早まるからな」そう報告した俺に、わかりやすく顔を強ばらせる。この反応が慶一郎と全く同じ。いや、香坂家の男性全員と同じ反応だ。
一年をかけて準備をという名目は……小百合のためではなく、こっち側の心の準備なのではないかと、今は疑っている。
「そうか」心底嫌そうな顔をして、俊彦は俺に「おめでとう」と言った。