13番目の恋人
そんな、心配とは裏腹に
「そっちの方がいいね」
と、笑ってくれた。
「ね、そっちってどういうこと?」
「今みたいに、笑うと可愛いって」
「こう?」
思いっきり口角をあげてみた。自分で思うところの感じのいい笑顔。
「ぶっ、いや、全然駄目」
「え、じゃあ、こう?」
今度は外国のCMの様に歯を見せて笑ってみせた。
「あはは!」
「……もう、全然わからない」
うまくやったつもりの笑顔を笑われて、そっぽを向いた。大宮くんが何も言ってこないので、そっと顔をもどすと、彼は驚いた顔をしていた。
「……何?」
「意外に幼いんだな」
「幼い? 同い年でしょう? 」
私の笑顔の何がおかしかったのか、指先で頬を解した。
「こう!」
今度は大宮くんがにこっと笑った。少しやんちゃそうな笑顔に、私が吹き出す。
「何だよ」
少し拗ねた大宮くんに
「意外に幼いのね」
と、言い返した。
「幼い? そうかな。同い年だろ? ほら、そうやって笑ったのが、いいじゃん」
「……うん」
「ね、室長。笑ったら可愛いっすよね」
大宮くんに話を振られて、野崎さんは私に顔を向けると
「そうだね」
と、頷く。一瞬、部屋が静まり返った。全員が、そう言った野崎さんではなく、私の方を向いた。さすがに恥ずかしくなって、俯いた。
「そっちの方がいいね」
と、笑ってくれた。
「ね、そっちってどういうこと?」
「今みたいに、笑うと可愛いって」
「こう?」
思いっきり口角をあげてみた。自分で思うところの感じのいい笑顔。
「ぶっ、いや、全然駄目」
「え、じゃあ、こう?」
今度は外国のCMの様に歯を見せて笑ってみせた。
「あはは!」
「……もう、全然わからない」
うまくやったつもりの笑顔を笑われて、そっぽを向いた。大宮くんが何も言ってこないので、そっと顔をもどすと、彼は驚いた顔をしていた。
「……何?」
「意外に幼いんだな」
「幼い? 同い年でしょう? 」
私の笑顔の何がおかしかったのか、指先で頬を解した。
「こう!」
今度は大宮くんがにこっと笑った。少しやんちゃそうな笑顔に、私が吹き出す。
「何だよ」
少し拗ねた大宮くんに
「意外に幼いのね」
と、言い返した。
「幼い? そうかな。同い年だろ? ほら、そうやって笑ったのが、いいじゃん」
「……うん」
「ね、室長。笑ったら可愛いっすよね」
大宮くんに話を振られて、野崎さんは私に顔を向けると
「そうだね」
と、頷く。一瞬、部屋が静まり返った。全員が、そう言った野崎さんではなく、私の方を向いた。さすがに恥ずかしくなって、俯いた。