13番目の恋人
「お茶入れますね」
何から何までお世話になってしまい。そう言って立ち上がった。
……キョロキョロしている彼に
「どうされました?」と、尋ねた。
「いや、椅子はどこかな、と」
「……ありません」
「え……?」
「テーブルのことばかり考えていたもので、椅子が無いことに今気付いて……」
「ふ、は、はは」
笑われてしまってとても気まずい。本当だ、椅子がないじゃないか。
「椅子は必要、ですね」
「そうだね、だけど、こういうのも楽しいな、今日は立食といこうか」
「ああ、恥ずかしい、もう!」
両手で顔を覆った。
「今度、恋人が出来たら買うといい」
「それまで立ちっぱなしですか、私……」
「……そうか。それなら、早急に探さないといけないね」
からかうように笑う彼に、ますます顔が熱い。
「いつ出来てもいいように、先に買います」
「うーん、それもいいね」
そう言いながら、私のお皿に美味しそうなお惣菜を取り分けてくれた。
ふと、リストの事を思い出していた。恋人……か。私の恋人になる人、あの中にいるのかしら。その椅子に座るような人が……。顔を上げると、目が合って、優しく微笑まれる。こんな感じなのかな、恋人って。
「ほら、また、見すぎ……」
彼は手のひらで私の視線を遮った。
「ご、ごめんなさい」
見とれている場合では全くなかった。格好いいのだもの、つい。
何でこうなった。かを聞かなければ。
何から何までお世話になってしまい。そう言って立ち上がった。
……キョロキョロしている彼に
「どうされました?」と、尋ねた。
「いや、椅子はどこかな、と」
「……ありません」
「え……?」
「テーブルのことばかり考えていたもので、椅子が無いことに今気付いて……」
「ふ、は、はは」
笑われてしまってとても気まずい。本当だ、椅子がないじゃないか。
「椅子は必要、ですね」
「そうだね、だけど、こういうのも楽しいな、今日は立食といこうか」
「ああ、恥ずかしい、もう!」
両手で顔を覆った。
「今度、恋人が出来たら買うといい」
「それまで立ちっぱなしですか、私……」
「……そうか。それなら、早急に探さないといけないね」
からかうように笑う彼に、ますます顔が熱い。
「いつ出来てもいいように、先に買います」
「うーん、それもいいね」
そう言いながら、私のお皿に美味しそうなお惣菜を取り分けてくれた。
ふと、リストの事を思い出していた。恋人……か。私の恋人になる人、あの中にいるのかしら。その椅子に座るような人が……。顔を上げると、目が合って、優しく微笑まれる。こんな感じなのかな、恋人って。
「ほら、また、見すぎ……」
彼は手のひらで私の視線を遮った。
「ご、ごめんなさい」
見とれている場合では全くなかった。格好いいのだもの、つい。
何でこうなった。かを聞かなければ。