美青年幼馴染には恋人がいない。
幸せなデートと?
「ごめんなさい、遅くなっちゃった」
あれから髪型を整えて、バックをもって急いでカフェに向かった。
今日はいいメイクだし、うんバッチリ!!
「いや、別にいい…よ…。」
「映画だったよね?何見る?」
「いや、うん、そうだね。流行りの映画でもいいけど、」
ん?
なんか幸助さん歯切れ悪い?
「どうしたの?幸助さん、なんか、いつもと違うような…?」
「あー、うん。ちょっと驚いちゃって。」
「え、なにが?」
「えっと…。」
え、なんか変な恰好してたっけ?
髪型整えたけど、なんかどっかハネちゃってるとか!?
うっそ、どうしよう…。
「幸助さん!あの!どっか変なんだよね!?もっかい準備しなおしてくるからもうちょっとまってて…「それはダメ。」…え?」
「今日すっごく可愛いから、これ以上可愛くなられるのは流石に困っちゃうかな?」
え。
か、可愛い…?
「え、あ、え?あ、はい…。」
「ふふ、顔真っ赤だね。」
「っ幸助さんがストレートすぎるんだよ!普通はそんなにストレートに言われたら照れるよ!!」
「そうかな?」
「そう!!」
「じゃあ私のことをほめてくれるかな?」
「ふぇ!?」
「薫さんが思うストレートでね?ダメかな?」
そ、そんなの。
「ここでですか!?」
「うん。無理?」
「ここは、ちょっと…。」
「なら家なら?」
「…それなら、うん。大丈夫かな…。」
「じゃあ行こう。」
「え、映画は!?」
「うーんそうだね。Blu-rayでどうかな?レンタルして、ね?」
「え、あ、え?」
「で、ホラーとか?」
「ちょっと!怖いのは洋画だけにしてよ!」
「はは、どうしようかなー!」
「ちょっと幸助さん!!」
「ほら一緒に帰ろう?」
「…もう、今日のご飯は幸助さんの手作りね。」
「え!…仕返しが早いな…。」
「へへ。」
━━黒木彰宅。
「先生がスランプに入っちゃうなんて珍しいですね。何かあったんですか?」
「いや、特には。」
「じゃあどうして、前回まで練ってたストーリーをボツにしたんです?」
「…あれはもうつまらないから。」
「…あと二週間ですよ。原稿の締め切りは。」
「わかってる。」
「来週までに新しいプロットいただけますか…?」
「…。」
「難しそうなら先生の原稿は来月に延ばしてもらいますよ?そうしましょうか?」
「…来週までにプロット作ってみる。でも」
「でも?」
「無理だったら、原稿来月に延ばして欲しい。」
「分かりました。…先生、無理だけはしないでくださいね。」