美青年幼馴染には恋人がいない。
通常業務
「南ちゃん。何が言いたいかわかる?」
「…あ、もしかしてもう言われちゃったの!?」
「そうだよ。」
「で!で!どうしたの!?」
「それより謝罪の言葉は?」
「ごめん!ごめん!!で、で?どうだったの?」
「教えませーん。」
「え!なんで!!」
「南ちゃんに話たらまた広まっちゃう。」
「今度こそ内緒話にするから!ね!」
「だーめ。じゃ、仕事に戻るから。」
「けちー!!!」
もう、南ちゃんが言わなかったら私から紹介したのに。
そしたらもっと彰と幸助さんのいい出会いになったのにな…。
「はぁ…。」
私のせい、だよね。
二人に心配かけないようにしないとね。
━━コンコン
「失礼します。面談予定の営業部荒井です。」
っと仕事仕事…。ここにプライベートは持ち込めないし、持ち込まない。
よし!!
「どうぞ。」
━━ガラガラ
「失礼します。」
「そんなにかしこまらなくて大丈夫ですよ。荒井さん。」
「いや、その面談とか初めてなんで…驚いてしまって。」
「ここ大手だからね。パワハラとかセクハラとかそういった事の対策の一環になってるんです。気にしないでリラックスしてください。皆さんはじめは緊張しますけど、荒井さんの先輩はここでロックミュージックの話して帰りますよ。それぐらいで大丈夫です。」
「よかった…。」
「ふふ、では初めまして!私人事部の橘です。好きなものはアニメやドラマを見ること!好きな食べ物はお肉料理。宜しくお願いしますね。」
「営業部の荒井です。好きなものは洋画、好きな食べ物は…寿司。改めてよろしくお願いします。」
「はい。じゃあ初日なので軽い質問だけしていきますね!もちろん個人情報になりますので、保管はキッチリされております。悪用の心配もございませんのでご安心ください。」
「はい。」
「営業部に入って半年がたちましたが、何か悩みなどはありますか?」
「いえ、特には…。」
「はい。残業が少し多めですが、仕事量は大丈夫ですか?」
「いえ、大丈夫です。まだ覚えることがたくさんあって。」
「はい。営業部での仕事内容についてどう感じてますか?」
「えっと、どうとは?」
「感じたままで大丈夫です。」
「はぁ…、ようやく仕事に慣れてきました。それに結構体育会系が多かったのでノリもわかっているのでついていけてます。問題ないと思います。」
「はい。ありがとうございます。初日はこれで終了しますね。」
「これだけ?」
「はい。あっさりしているでしょう?」
「してますね…。」
「信頼関係が大切ですからね。初日はこれで大丈夫です。本日はありがとうございました。」
「ありがとうございました。失礼します。」
荒井レン。あの顔で営業部ってすっごいモテそう…。
だけど女性関係の話をしてこなかったし、困ってる素振りは今の所なし。
南ちゃんとかの餌食にならなきゃいいんだけど…。
とりあえず初日の荒井さんは問題なし!
たまの出社は直接面談の嵐、普段忙しい営業部ラッシュ…。がんばるぞ!
━━コンコン
「営業部の伊藤です。入っても?」
「大丈夫ですよ。」
━━ガチャ。
「…!今回はアタリだ~!橘ちゃんでよかったよ。ねぇねぇ話きいてくれる??」
「勿論ですよ!栄美さん。」
さて、営業部の高嶺の花伊藤栄美さんの愚痴がはじまるぞ!