すてきな天使のいる夜に〜ordinary story〜
ーside 大翔ー
「はぁ〜。」
珍しく、深いため息を吐き出したのは俺の隣に座っていた沙奈だった。
「どうかしたの?」
「見て、これ。10分置きにこんなメールが来るの。」
沙奈は、そう言って俺にスマートフォンの画面を見せる。
「紫苑と、翔太からか。」
そう。
沙奈の学校が、夏休みになって体調も安定していたため2泊3日で俺の家へ泊まりに来てくれた。
まだ俺の家に来て1時間しか経っていないというのに、2人からのメールが6件来ていたらしい。
「私の心配をしてくれてるのは有難いけど、こんなにたくさんメール返せないよ。」
困りながら、沙奈は紫苑と翔太にメールを返していた。
「2人も心配しているだろうから、電話してあげるといいかもしれないね。」
「…さっき2人と分かれたばかりなのに?」
これは、小さい反抗期なのだろうか?
きっと、紫苑と翔太の元へ来て初めてだろうな。
「嫌なの?」
そうでは無いと思うけど、沙奈の反応が可愛くて思わず聞いてしまった。
「嫌じゃないけど…。
せっかく、大翔先生と2人なのに…。」
「俺に、沙奈を託してくれたのは嬉しいけどやっぱりまだまだ心配なんだよ。
今日は、家へ帰る時間を気にしなくていいんだから紫苑か翔太に電話を入れてあげるといいよ。」
紫苑や翔太は、きっと体調のこともそうだけど初めてのお泊まりで俺が沙奈に手を出さないかという心配もあるんだろうな。
外来が終わって、沙奈を迎えに行く前もあれだけ手は出すなよって念押しされて来たからな。
その強い忠告と一緒に、沙奈のことがびっちり書かれたメモを渡された。
そして、そのメモにも
『何かあったら、必ず連絡して。沙奈が寂しがって帰りたいようだったら俺が迎えに行く。』
と、書かれていた。
初めて修学旅行へ出かける娘のために、親が担任宛に書かれたようなメッセージに思わず笑ってしまった。
「分かった。
ちょっとかけてみるね。」
少し、憂鬱そうに紫苑に電話をかけようとする沙奈。
こんな表情は初めて見るから、とても新鮮に感じた。
「はぁ〜。」
珍しく、深いため息を吐き出したのは俺の隣に座っていた沙奈だった。
「どうかしたの?」
「見て、これ。10分置きにこんなメールが来るの。」
沙奈は、そう言って俺にスマートフォンの画面を見せる。
「紫苑と、翔太からか。」
そう。
沙奈の学校が、夏休みになって体調も安定していたため2泊3日で俺の家へ泊まりに来てくれた。
まだ俺の家に来て1時間しか経っていないというのに、2人からのメールが6件来ていたらしい。
「私の心配をしてくれてるのは有難いけど、こんなにたくさんメール返せないよ。」
困りながら、沙奈は紫苑と翔太にメールを返していた。
「2人も心配しているだろうから、電話してあげるといいかもしれないね。」
「…さっき2人と分かれたばかりなのに?」
これは、小さい反抗期なのだろうか?
きっと、紫苑と翔太の元へ来て初めてだろうな。
「嫌なの?」
そうでは無いと思うけど、沙奈の反応が可愛くて思わず聞いてしまった。
「嫌じゃないけど…。
せっかく、大翔先生と2人なのに…。」
「俺に、沙奈を託してくれたのは嬉しいけどやっぱりまだまだ心配なんだよ。
今日は、家へ帰る時間を気にしなくていいんだから紫苑か翔太に電話を入れてあげるといいよ。」
紫苑や翔太は、きっと体調のこともそうだけど初めてのお泊まりで俺が沙奈に手を出さないかという心配もあるんだろうな。
外来が終わって、沙奈を迎えに行く前もあれだけ手は出すなよって念押しされて来たからな。
その強い忠告と一緒に、沙奈のことがびっちり書かれたメモを渡された。
そして、そのメモにも
『何かあったら、必ず連絡して。沙奈が寂しがって帰りたいようだったら俺が迎えに行く。』
と、書かれていた。
初めて修学旅行へ出かける娘のために、親が担任宛に書かれたようなメッセージに思わず笑ってしまった。
「分かった。
ちょっとかけてみるね。」
少し、憂鬱そうに紫苑に電話をかけようとする沙奈。
こんな表情は初めて見るから、とても新鮮に感じた。