狂犬に愛される覚悟
零王は口唇を貪りながら、愛妃の服の裾から手を滑り込ませた。
「んん…やぁ……零、王…」
「愛妃…俺のこと……好き…?」
「うん……好きぃ…」
「俺も…愛妃が……スゲー、好き…
好きすぎて…どうにかなる……」

零王は夢中で愛妃を貪った。

「ごめんね…愛妃。
…嫌いにならないで…?」
ソファに座り、愛妃を後ろから抱き締めながら言う零王。
「嫌いになんてならないよ…!
大好きだよ!零王のこと」
愛妃は零王に振り返り、目を見て言った。

「良かったぁ」
嬉しそうに微笑んだ零王は、愛妃にキスをした。

「むしろ…」
「ん?愛妃?」
「私の方が、飽きられないかなって心配してる……
だからね……」
「……??」
一度零王の腕の中から出て、ソファを下りた愛妃。
バックをゴソゴソして、零王の隣に座った。

「これ、プレゼント!受け取ってくれる?」
「………俺に?」
「うん」
小さな包みを開けると、片方のピアスが入っていた。

「それ…私がデザインしたの」
「嘘!?スゲー!俺、つけていいの?」
「うん、しかもそれ……」
そう言って、愛妃は自分の右耳を零王に見せた。
「お揃いなの…
もし、零王がペアが嫌じゃないならつけてほしいなって……!」
「………」
零王はあまりの狂喜に、フリーズしていた。
こんな嬉しいプレゼントは初めてだった。
最愛の愛妃からのプレゼントで、しかもお揃いのピアス。
嫌なわけがない━━━!!!

「零王?
あ…もし、気に入らないならいいの…
良ければだから…」
「狡いよ……」
「え━━━━━」
零王は力強く愛妃を抱き締めた。
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