狂犬に愛される覚悟
「スゲー嬉しい!!!
ありがとう!!」
「良かったぁ」
「フフ…愛妃、つけて~?」
零王は一つ左耳のピアスを外し、左耳を愛妃の方に出して甘えるように言った。

「零王、可愛い~!
はい!つい…た…!」
「フフ…お揃い……!!」
嬉しそうにピアスに触れる、零王。

「でも良かった!喜んでくれて!」
「でもなんで、急に?」
「来月から、お客様のオーダーメイドも行うことになって、その試作品を作ることになったから、佐崎さんにお願いして私達のピアスを作ったの」
「佐崎?
……って、誰?」
零王の機嫌が明らかに悪くなる。
「あ…この前話した、今月から入った社員さん」

あー、それでさっき楽しそうに話してたのか……と零王は先程の二人の様子を思い出す。

「ふーん。その人とあんま仲良くなんないでね!」
「え?う、うん。
大丈夫だよ、私なんか興味ないだろうし……」
「………てか、愛妃ってかなり鈍感だよね…」
「へ?」
「ううん、なんでもないよ!
それより、お腹すいた~」
「そうだね!すぐ作るね!」
「俺も手伝う~」
一緒に調理して、食事中━━━
~~~~~~!
愛妃のスマホの着信音が鳴った。
「ん?あ、佐崎さんだ…」
「は?出るの?」
「え?あ、後からかけ直すよ…」
ほんとは出るつもりだったが、零王が少し怖くて出るなんて言えなかった、愛妃だった。

食事が済み片付けた後、愛妃が零王に声をかけた。
「零王、私電話してくるね!」
別の部屋に移動しようとする、愛妃。
スマホを取ろうとする愛妃より先に、素早くスマホを奪った零王。

「え━━━?」
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