狂犬に愛される覚悟
『もしもし!鈴野さ~ん!』
「あ、すみません!」
『もしかして…彼氏?』
「あ、はい…」
『やっぱ、いるんだ……』
「え?」
『ううん、じゃあ…明日ね!』
そして通話を切ったのだった。

「終わった?」
「うん」
「じゃあ…ラブラブしよ?」
「……嫌…」
「は?」
「零王、電話中にあんなこと……
だから、嫌!私今日、ソファで寝る」
そう言って、零王から離れようとする。

「…ざけんなよ……」
「え……」
「愛妃、今…何っつた?」
「え…零、王…?」
離れようとした愛妃の手を掴み引き寄せ、またソファに押し倒した。

「愛妃」
「え……」
「ダメだよ…俺のこと拒否るなんて。
離れようとするのも、許されないよ。
愛妃は俺の女なんだから」

愛妃は目の前にいる、零王の姿にただただ…驚愕し怯えていた。
言葉はいつもの零王だが、雰囲気やトーンがあまりにも恐ろしい。
いつもの可愛い、零王はどこにもいなかった。

零王は愛妃の口唇をなぞり、グッと指を口の中に入れた。
「うぐっ……零…王…」
「舌…出して?」
「う……」
「早く、出して。じゃないと、苦しいでしょ?」
恐る恐る、舌を出すとその舌ごとまるで食べるようにキスされた。

「ンンン……んぁ…はぁ……」
「愛妃、二度と俺から離れようとしないで?
俺は愛妃と片時も離れたくなくて、同棲してるんだから」
何度も頷く、愛妃だった。

そのままベットに移動して抱かれている、愛妃。
「あ…んぁ……や、待っ…も…やぁ…」
零王の嫉妬心を全てぶつけられている。
「こんな愛妃を見せるの、俺だけにしてね…!
俺は愛妃しか…いらないんだから……!」
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