狂犬に愛される覚悟

｢ううん。大丈夫。律くんと絵美ちゃんのお父さんだもん！もちろん、挨拶するよ｣
｢良かった！じゃあ…呼ぶね！｣
｢うん｣
｢……愛妃、無理しないで？｣
｢大丈夫！零王もいるし、何より友達のお父さんだもん！｣
｢うん、そうだけど……｣

数十分後、竜郎が部下を引き連れやった来た。
｢悪いね…せっかくの集まりを邪魔して。
君が、ゼロの恋人？｣
｢ゼロ？
初めまして、鈴野 愛妃です。
律くんと絵美ちゃんと仲良くさせていただいてます｣
｢ん。
へぇー君がね…可愛いね…
ねぇ～僕のことも竜郎くんって呼んで？｣

｢ブーッ！！！｣
零王と律がお酒を吹き出した。
｢ちょっ…汚っ！！二人とも！何やってんの！！｣
絵美が零王と律に抗議する。
｢大丈夫？零王、律くん！｣
愛妃がテーブルを拭く。

｢おい、親父！
キモいこと言うなよ！｣
｢あり得ねぇ……｣
律が竜郎に抗議し、零王が呟く。

｢いいじゃねぇか！
ねぇ～愛妃ちゃん？
でも…君みたいな天使が、よくこんな奴等と一緒にいれるね！｣
｢え……？｣
｢コイツ等、ほとんど大人になりきれないガキの集まりだよ！
まぁ…僕が言うのも変だけど、はみ出しもんみたいな奴等でしょ？
ゼロ…いや、零王なんて特に！｣
｢そんなことありません。みんな人として大切なものを持ってます。零王も、私のこと大切にしてくれてます｣
｢そう…君がそう言うならそうなんだろうね！
やっぱ、いい女だね！ねぇ…零王やめて俺にしない？｣
｢え……？｣
微笑む、竜郎。

｢………フフ…冗談だよ(笑)！
このままじゃ…零王に殺されるから、僕はここで！
またね、愛妃ちゃん！｣
後ろ手に手を振って出ていった、竜郎だった。

｢やっぱ、一発殺っとくか…？｣
呟く、零王。
｢え？零王、なんか言った？｣
｢ううん！愛妃～お酒飲もっ！｣
再度、愛妃の腰を抱き寄せ甘えるように言った。