狂犬に愛される覚悟
「最近どう?
……って、相変わらずラブラブだよね(笑)!」
零王が律と朝陽と仕事の話でカウンター席に移動した為、絵美と二人で話している、愛妃。
「この間…ちょっと怖かったんだぁ……」
「え?零王が?」
「うん。いつもの可愛い零王じゃなかったの」
愛妃は、佐崎との電話のことを話す。

「ようは、零王が嫉妬したってことね!」
「嫉妬?零王が?
あり得ないよ!
逆はあり得るけど……」
「それ、本気で言ってる?愛妃」
「え?あれって、嫉妬だったの?
私が、拒否したから悲しかっただけかと……」
「愛妃、気をつけなよ!」
「え?」
「愛妃って、自分が思ってるより狙われてるよ!」
「えー?
零王が総長だから?」
「それもあるけど、うーん…例えば職場で口説かれたりとかない?」
「ううん……あっ!」
「あるんだ……」
「職場の同僚の彼氏さんの友達って人に、食事に誘われことある」
「まさか、行ってないよね?食事」
「い、行かないよ!そこまで鈍感じゃないよ!」
「そうよね」
「でも、零王の方が狙われてるよ」
「え?それってどうゆうとこ?」
「毎日送り迎えしてくれるんだけど、ショップの子達にカッコいいって噂されてるんだよ……
やっぱヤキモチ妬いちゃうよ…」
そう言って、カウンターの方にいる零王を見つめる。

「愛妃?」
「………絵美ちゃんから見て、私と零王ってどんな感じ?」
「え?ラブラブね!ある意味、退く位(笑)」
「そうじゃなくて、つり合ってる?」
「うん、もちろん!」
「ほんと?いいよ、気をつかわなくて……」
「ほんとよ。こんなこと嘘ついてどうすんの?」
「時々、不安になる。
いつか…飽きられるんじゃないかって……!」

「大丈夫よ、零王の方が愛妃にベタ惚れだから!」
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