狂犬に愛される覚悟
最上階に上がり、中に入る。
いつ見ても凄い豪華なマンションだ。

手洗い・うがいを仲良く済ませ、服を着替えようとクローゼットに向かう、愛妃。
「どこ行くの?」
と零王が後ろから抱き締めてきた。
「ん?着替えるの。これじゃ…料理しにくくて……」
愛妃はジュエリーショップ店員な為、できる限りおしゃれをしている。
さすがにその格好では料理はしにくいので、いつもルームウェアに着替えるのだ。

「じゃあ…俺も行く!」
と零王が後ろからついてきた。
クローゼットを開けて選んでいると、
「愛妃って、可愛い服いっぱい持ってんだね!
このワンピースなんか、ヒラヒラしてる」
20代前半に来ていたワンピースを、零王が指した。

「あ、これは室内用なの。さすがにこの歳で外に着てくのは、恥ずかしいから///」
「じゃあ、今日これ着て!」
「え?いいけど、退かないでね?」
「うん!」
ワンピースを取り出し、着替えようとするとジッと零王が見つめている。

「零王、リビングに行ってて!
着替えてすぐ行くから」
「え?やだ!」
「だ、だって…着替えられないよ」
「見たらダメなの?」
「だ、ダメ!恥ずかしい…///」
「フフ…可愛い~今更、着替えるくらいで恥ずかしいの?
もう、愛妃の全部知ってるのに…!」
「……/////!!!」
「プッ…!耳まで真っ赤だぁ!可愛い~」

「いいから!リビング、行ってて!」
零王の大きな背中を押した。
「はぁーい!」
笑いながら、リビングに戻る零王だった。



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