狂犬に愛される覚悟
「もう一回言って?
ヤキモチって何!?めっちゃ嬉しいんだけど!!」
「べ、別に!なんでもないよ!」
「えーー!何~?
とりあえず、家入ろ?」

そして、一緒に調理して食事中。
「ねぇねぇ…愛妃~」
「ん?」
「ヤキモチって何~?教えて?」
横に座っている愛妃の顔を覗き込み、言った。

「////やだって言ったでしょ?
恥ずかしいの!」
「じゃあ…もう、キスしないよ?
ギューもしない!」
そっぽを向く、零王。
「え……」
………なんて、そんなの零王の方が無理だ。
おそらく、一時間ももたないだろう。

「どうする?いいの?」
再び愛妃に向き直る。
「零王は、平気なの……?」
「だって、愛妃が教えてくんないし……」
「そんなのやだよ…」
そう言って、零王の服を掴む愛妃。

か、可愛い……
ヤバい……もう既に、キスしてぇ……
とゾクゾクしている、零王。

別に勝負しているわけではないのだが、ここでキスすると負けな気がして、必死に感情を抑え込む零王。

「言うから、ギュッてして?キスも……」
「うん、じゃあ…教えて?」

早く!!
じゃねぇと、今すぐにでもキスしてしまう。
零王は、自分の中の理性と一人戦っていた。

「毎日零王が、送り迎えしてくれてるでしょ?
それを職場の人が見てて、零王がカッコいいねって!
紹介してって言われたの。
でも、私……
零王は忙しいって、嘘ついちゃった……」
「そうゆうことね。
ヤキモチ妬いて、嘘ついたの?」
「うん……」
「フフ…可愛い~!
………愛妃のヤキモチ大歓迎。
それに俺も、愛妃以外の人間とあんま話したくないから、大丈夫だよ!」
零王は愛妃をギュッと抱き締め、額と額をくっつけて囁いた。
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