狂犬に愛される覚悟
愛妃も着替えて戻る。
「零王、夕食何が食べたい?」
愛妃はキッチンに向かいながら、ソファに座ってスマホ片手に、煙草を吸っている零王に声をかける。

「━━━━////!!」
零王が煙草を咥えたまま、フリーズしている。
「え…零王?」
零王は無言でスマホをテーブルに置いて、煙草を灰皿に置き愛妃の元にゆっくり近づいてきた。

「それ…反則////」
「へ?」
「めっちゃ可愛い…」
「え?ほんと?ありがとう。
でも、やっぱ恥ずかしいな。ミニだしね!」
「確かにこの格好で、外出てほしくない」
「でしょ?27でこの格好は退くよね(笑)!」
「いや、そうじゃないよ?」
「ん?」
「可愛いから、誰にも見せたくない…」
そう言って、愛妃を抱き締めた零王だった。

ソファーに並んで座り、夕食を食べる。
「うん、美味しい!」
「ほんと?良かった~!でもちゃんと不味い時は不味いって言ってね!もっと好きになってもらえるように頑張るから!」
「これ以上、俺を惚れさせてどうすんの?」
「え?絶対私の方が、零王を好きだからだよ!」
「それはないよ」
「嘘だぁ…!
だって、普通に考えたらおかしいよ!
零王みたいな人気者が、私の彼氏なんて…!
きっとみんな思ってるよ!」
「だって、俺は一目惚れだよ?
あのカフェで」
「え?そうだったの…?」
あのカフェとは、愛妃が20歳の時にバイトをしていたカフェだ。
零王達は、そこの常連だった。
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