狂犬に愛される覚悟
病院に駆けつける、零王。

律や絵美が椅子に座り、うなだれている。
その光景を見るだけで、零王は何があったかわかったような気がした。

「愛妃……は……?
嘘…だよな……?」

律がゆっくり頭を横に振る。
絵美も静かに泣いている。

零王はゆっくり、手術室と書いた部屋に入った。

中には痛々しく、針の刺さった愛妃がいた。
周りには医師や看護師が、うなだれたように端に並んでいる。

触ると、まだ温かい。
「愛妃…まだ生きてるよね?
早く、起きて?
いっぱいギューッてするよ。
キスもいっぱいしよ?
ねぇねぇ……愛妃~早く起きてよぉ。
もう…ワガママ言わないから。
喧嘩するなって言うなら、もう二度としないから。
また、愛妃が動けなくなるくらい抱かせてよ!?
………ねぇ、愛妃!返事してよ!!?」

少しずつ…愛妃の体温がなくなっていく。

「愛妃ーーー!!?」




愛妃はもう二度と返事をしないまま、静かに天使になった。





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