幼馴染は片思い中

「「……」」


ふたりきりの部屋に気まずい空気が流れる


居たたまれなさをごまかすように
学習書に視線を落とす


「………あ、あの……」


平静を装って
勉強するフリをしていた私に
おずおずと呼び掛けてきたあの子


「……この間は、ありがとうございました」


「……ううん
………もう、大丈夫？」


「えっと………はい」



…。
………嘘をつくのが下手な子だ


どきりとしたように目が泳いで
返答に戸惑うような間が合った



「あの、これ」

「？」

「は、ハンカチのお礼に
良かったら…」

「…そんな大したことしてない」

「で、でも…
う、嬉しかったから…」

「…」


微かに震える手で
差し出されたのは小さな紙袋

そっと、受けとってお礼を言う


「…ありがとう」

「私がお礼をしたかっただけなので」



受けとれば、ほっとした様子で
その子は首を横に振った