幼馴染は片思い中
…あ、これ
駅前の手作りクッキーのお店のだ

見覚えのあるロゴに私は目を輝かせた



「ここの…美味しくて好き
嬉しい」

「わ、私も…っ
お気に入りのお店なんです」

「さくさくで、甘くて、口溶け良くて」

「私、バターミルククッキーが一番好きです」

「うん。あれが一番美味しい」



思いがけずクッキーの話で盛り上がり
お互い緊張が解けて、表情が緩む


私は受け取った紙袋の中から
箱に入ったクッキーを取り出して


「…一緒に食べよ」


そう言葉を向ければ
その子は一瞬目を丸くしてから
嬉しそう微笑んで、頷いた
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