幼馴染は片思い中
「音無さん、見て見て
期間限定で出店するんだってっ」
いつものように
保健室で勉強してると
興奮気味に扉を開けて
私の前までやってきた日山さんは
大きな瞳をきらきらさせて
持っていた雑誌を広げて私に見せる
そこには
東京の有名なお菓子のお店が
来週から1ヶ月限定で駅中に出店するという記事が載っていた
「おいしそうだねぇ」
前に
別の雑誌でお店の特集をふたりで見て
いつか食べてみたいねと話していたお店だ
「来週、楽しみだなぁ」
すでに行く気まんまんの日山さんは
嬉しそうに雑誌を眺めてる
その様子を横目に
私はぎゅっと自分の手を握って
「………い」
『一緒に行こう』
「ん?」
「…」
浮かんだお誘いの言葉が中々
口から出てこない
言い淀んだ私を見て
不思議そうに小首を傾げる日山さん
「……ううん。なんでもない」
結局、最後まで口に出せなくて
……仲良くなるきっかけにって思ったのに
「…」
…………私の意気地無し
期間限定で出店するんだってっ」
いつものように
保健室で勉強してると
興奮気味に扉を開けて
私の前までやってきた日山さんは
大きな瞳をきらきらさせて
持っていた雑誌を広げて私に見せる
そこには
東京の有名なお菓子のお店が
来週から1ヶ月限定で駅中に出店するという記事が載っていた
「おいしそうだねぇ」
前に
別の雑誌でお店の特集をふたりで見て
いつか食べてみたいねと話していたお店だ
「来週、楽しみだなぁ」
すでに行く気まんまんの日山さんは
嬉しそうに雑誌を眺めてる
その様子を横目に
私はぎゅっと自分の手を握って
「………い」
『一緒に行こう』
「ん?」
「…」
浮かんだお誘いの言葉が中々
口から出てこない
言い淀んだ私を見て
不思議そうに小首を傾げる日山さん
「……ううん。なんでもない」
結局、最後まで口に出せなくて
……仲良くなるきっかけにって思ったのに
「…」
…………私の意気地無し