幼馴染は片思い中
③
……
――…後日談になる
あの後、朔君の友達の牧君が
すぐあの場に割って入ってくれたおかげで
日山さんは無事だった
あの時
朔君が撮影した写真が証拠になった
言い逃れできない証拠を前にして
あの子達は日山さんにしていた
数々の悪質な嫌がらせを認めて、謝罪した
あの子達は2週間の停学処分を受けることになった
「そんなに落ち込むなって」
「…」
「怪我もしてねーみたいだし
とりあえず、無事に終わったんだから」
「…」
「あいつらがいじめの主犯格だったみてーだし、これで本当に嫌がらせも収まるだろ」
「…」
私の様子を見に
うちへやってきた朔君は
部屋のすみで
クッションを抱えて終始無言でうずくまる私を見下ろして、困ったように眉を下げた
「ほら。腕出せ」
小さくため息をついてから
朔君はしゃがみこんで、私に言う
黙り込んだまま、首を横に振る
だけど、朔君は強引に私の腕を掴んで
服を捲りあげる
肌に浮かんだいくつもの赤い爪痕
朔君は何も言わずに
ポケットから取り出した塗り薬のふたを開けて、手当てを始める
「…」
されるがまま
朔君の綺麗な指先をぼんやり眺めながら
私は自分の無力さに打ちひしがれていた
……あの状況で、冷静に判断して
動けた朔君はすごい
ためらわずに助けに入った牧君も
私は、ただ動揺して
頭が真っ白になって
終始、取り乱すだけで
なにも出来なかった
――…後日談になる
あの後、朔君の友達の牧君が
すぐあの場に割って入ってくれたおかげで
日山さんは無事だった
あの時
朔君が撮影した写真が証拠になった
言い逃れできない証拠を前にして
あの子達は日山さんにしていた
数々の悪質な嫌がらせを認めて、謝罪した
あの子達は2週間の停学処分を受けることになった
「そんなに落ち込むなって」
「…」
「怪我もしてねーみたいだし
とりあえず、無事に終わったんだから」
「…」
「あいつらがいじめの主犯格だったみてーだし、これで本当に嫌がらせも収まるだろ」
「…」
私の様子を見に
うちへやってきた朔君は
部屋のすみで
クッションを抱えて終始無言でうずくまる私を見下ろして、困ったように眉を下げた
「ほら。腕出せ」
小さくため息をついてから
朔君はしゃがみこんで、私に言う
黙り込んだまま、首を横に振る
だけど、朔君は強引に私の腕を掴んで
服を捲りあげる
肌に浮かんだいくつもの赤い爪痕
朔君は何も言わずに
ポケットから取り出した塗り薬のふたを開けて、手当てを始める
「…」
されるがまま
朔君の綺麗な指先をぼんやり眺めながら
私は自分の無力さに打ちひしがれていた
……あの状況で、冷静に判断して
動けた朔君はすごい
ためらわずに助けに入った牧君も
私は、ただ動揺して
頭が真っ白になって
終始、取り乱すだけで
なにも出来なかった