幼馴染は片思い中
「嫌?」

「い、嫌じゃないけど…」

「じゃ、いいじゃん」


戸惑う私をよそに
朔君はそのまま、止めていた足を動かし
私を連れて歩き出す


……私が朔君の事、恋愛の意味で好きって
分かってるくせに

事も無げにこういうことしてくるのって
意地悪だと思う


「…」


……繋がれた手が熱い


同じように顔にも熱が集まる


……。
………自分からなら、全然平気なのに…


朔君からされるのは
なんだかとってもくすぐったくて
恥ずかしくて

慣れてない私は無言で固まってしまう


そんな私を
なんでか上機嫌な顔で見る朔君


「………なんで、笑うの」

「可愛いから」

「……っ」


拗ねるように訊ねれば
甘い言葉と優しい眼差しが返ってきて


朔君からの甘い攻撃に
免疫のない私は倒れそうになった
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